こんにちはkohapaです。
私は100万人に1人と言われる肺の難病を患っています。プロフィール
現代医学では治療法が無く、30歳を過ぎた頃から病状が悪化しました。
呼吸器内科の担当医から、先の事を考えると肺移植を検討した方が良いと言われました。
日本国内では、京都大学病院で一番多く肺移植手術が実施されています。
肺移植手術を受ける為に必要なドナー患者登録をする為に、検査入院をした時の話をします。
臓器移植のドナー患者登録とは?
臓器移植手術を受ける為には「日本臓器移植ネットワーク」への登録が必要です。
登録には、移植手術を受ける病院に検査入院をして、移植手術を受けるべきかを判定する為に様々な検査を受けます。
検査の後、移植施設内、適応評価委員会で移植適応の可否が審査され、移植すべきと判断されると「日本臓器移植ネットワーク」に移植希望登録される事になります。
一般的には、2週間程度の入院期間が必要とされています。
血清保存が必要
臓器移植では、リンパ球交差試験(臓器提供者の血液と移植候補者の血液を混ぜ合わせて、拒絶反応が起こらない事を確認する為の検査)に備えて、血清保存のための採血が必要です。
京都大学病院での検査入院
2017年1月に検査入院をする事になりました。
約2週間、問題なくドナー患者登録が出来る事を信じて検査に臨みました。
京都大学病院に到着して数時間後には検査が始まり、採血を13本も採りました!
一度にこんなにたくさん採るのは看護師さんも初めてだと言っていました。
入院中、何回採血したか覚えていない程血を採りました。
入院中は思っていたよりも検査詰め、普段通院している名古屋大学大学院と比較しても、京都大学病院は大きな病院なので病棟から外来棟や検査室までが結構遠いのが大変でした。
入院中に受けた検査一覧
・採血(数知れず)
・レントゲン、CT
・精神科受診
・心電図
・肺活量検査
・筋肉量測定
・口腔外科受診
・動脈血の採取
・心臓エコ―
・肺血流検査
・腎臓内科受診
・肺動脈カテーテル検査
沢山の検査をうけましたが、1日中検査をする訳では無いので、本を読む時間や、のんびりテレビやスマホを見る時間も結構ありました。
以外だったのは口腔外科の受診です。
移植手術において虫歯は厳禁、手術後に虫歯菌から感染症などを併発する恐れがある為歯磨きの指導を受けました。
また、磨きにくく虫歯リスクのある親知らずがあったので、入院中に親知らずを一本抜きました。
退院後も虫歯治療、定期的な歯科検診。歯磨きの徹底という指導を受けました。
大半の検査は特に怖さも無く終わりましたが、一番嫌だったのは、肺動脈のカテーテル検査でした。
肺動脈性肺高血圧症を併発していることが発覚!
検査の中で、肺と心臓を繋ぐ血管(肺動脈)の血圧を調べるカテーテル検査を受けました。
肺動脈圧が正常値より高い「肺動脈性肺高血圧症」を併発しているという結果でした。
担当した循環器の医師からは「肺高血圧症があったから今後はその治療も始めなきゃいけないねー」程度の説明で、その時はそこまで重い物とは捉えていませんでした。
呼吸器外科医の見解
2週間の予定だった検査入院は10日で終了し退院できることになりました。
両親に迎えに来てもらい検査結果を受けて、呼吸器外科医の話を聞く事になりました。
新たに見つかった病気「肺動脈性肺高血圧症」についての説明では「肺高血圧症」は呼吸器疾患の末期的症状であると言われました。
肺が正常に機能していない期間が長く続いている為、肺動脈にかなりの負担がかかっているという状態。
肺そのものも気腫化が進み、この先も悪化していくであろうという見通し。
私の肺はこのままでは助からない、方法は肺移植しかないという診断でした。
呼吸器疾患の末期症状と言われた時の気持ち。
確かにショックでした。
検査入院の半年前に長女が産まれ、体調も良くなっていると感じている所で新たな疾患に末期症状という通告。
でも意外と落ち込まなかった。医師から話のあった時、父は少し泣いていた。
私も父親になった立場としてとても理解できる。私だったら自分に責任を感じてしまうかもしれない。
しかし、私が落ち込んでたらダメだ!と思いました。
自分が一番前向きでいなきゃ支えてくれる家族に申し訳ない。
自分が前向きでいる事で、家族を安心させてあげなきゃだめだと、父の涙を見て思いました。
もちろん出来る事なら移植手術無しで元気になりたいし、医学的に無理でも私個人としては治るという事を諦めるつもりは無かった。
しかし、ドナー患者登録をして、来るべき時が来たならば覚悟を決めて手術に臨もう、そして必ず元気になろうと前向きな気持ちになれました。
2年前の自分なら落ち込んだと思う。それもかなり。前を向くのは無理だったかもしれない。
病気が悪化して気づかされた事は山ほどあった。いかに今までの自分の生き方が良くなかったか、考え方も行動も。
むしろ病気をきっかけに大事な事に気づけたし、それ無しでは気づき、改める事は出来なかったかもしれない。
そこに関しては強がりでは無く、本当にありがたかったと思っている。
愛する妻や娘、支えてくれる家族の為にも絶対に前向きでいようと思った。
心無しか帰り道の足取りは軽かったように感じる。